野生イノシシの豚コレラ感染確認=長野県

長野県木曽町で見つかった死んだ野生のイノシシ1頭がブタの伝染病の豚コレラに感染していたことがわかりました。
長野県内で野生のイノシシが豚コレラに感染しているのが確認されたのは今回が初めてで、県は養豚農家に消毒用の消石灰を配布することなどを検討しています。

長野県によりますと、野生イノシシの豚コレラへの感染がすでに確認されている岐阜県と隣接している木曽町で、今月8日、オスのイノシシ1頭が死んでいるのがみつかり、国の機関で検査したところ、豚コレラへの感染が確認されたということです。
豚コレラに感染した野生イノシシはこれまで愛知県や岐阜県、それに三重県や福井県で確認されていますが長野県内での確認は初めてです。
県が行った養豚農家への聞き取り調査では12日までに異常は確認されていないということです。
ただ、県では野生のイノシシによる感染拡大を警戒し、県内の養豚農家に消毒用の消石灰を配布することを検討しているほか、ことし9月ごろに予定している野生のイノシシに食べさせるワクチンが入ったえさをまく作業を前倒しできないか国と協議していくことにしています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/20190713/1010009346.html

これは増殖が加速度的に拡がる可能性がありますね。

福井で感染イノシシ初確認 豚コレラ、岐阜県境の大野で

福井県は7日、同県大野市内で捕獲された野生のイノシシ2頭が、家畜伝染病「豚コレラ」に感染していたと発表した。県内で野生イノシシへの感染が確認されたのは初めて。6月26日には三重県でも感染事例が公表されており、野生イノシシへの感染は岐阜、愛知を含め4県に拡大した。

感染した2頭は6月29日に大野市佐開、7月3日に同市蕨生のそれぞれ山際で見つかった。両地点は2キロほど離れているが、いずれも岐阜県境から17キロにある。ともに雄の成体で、地元の猟友会が仕掛けたわなに生きた状態でかかっていた。5日に県の遺伝子検査で陽性判定が出、国による検査で6日に確定した。ウイルスは、岐阜などで検出された型と同系統。

養豚場への感染拡大を防ぐため、県は捕獲地点から半径10キロ圏内にある大野市内の1カ所を監視対象農場とし、異常の有無について毎日報告を求める。県によると、県内では養豚場など8施設で計2600頭余りの豚が飼育されているが、異常は確認されていない。監視対象農場には7日、県が立ち入り検査を実施した。

県は、全施設に柵の設置や出入りする人・車両への消毒の徹底を指導した。県北部の全市町に協力を求め、捕獲されたイノシシの検査を実施する。野生イノシシへのワクチン入り餌の散布も実施する方向で、時期や場所を国と協議している。

豚コレラは昨年9月、岐阜市内の養豚場で国内としては26年ぶりに発生。出荷先を含め5府県の施設で確認されている。6月24日には大野市に隣接し、県境から1・2キロの岐阜県郡上市で野生イノシシの感染が判明、県が猟友会と連携して捕獲・検査態勢を強化していた。

https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019070790203434.html

農水省HP-豚コレラについて

http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/csf/index.html

(HP内画像抜粋)

収束する気配がないですね。

遺伝情報、数百円で売買 検査会社、製薬企業に仲介

遺伝子検査で得られた自分の遺伝情報を製薬会社に有償で提供する-。そんなやりとりを仲介するサービスを六月末にも始めると東京の検査会社が発表した。提供者は、少なくとも数百円分のポイントの形で金銭的なメリットが得られ、企業は薬の開発を効率的に進められると期待される。ただ専門家からは「究極の個人情報」ともいわれる遺伝情報が漏れたり、想定外の使われ方をしたりする恐れがあると懸念の声も出ている。

 サービスを行うのは遺伝子検査大手「ジェネシスヘルスケア」。二〇〇四年の設立以来、医療機関用の検査や、病気のリスクや太りやすさといった体質などを調べる一般向けの検査キットの販売を手がけ、約七十一万人分の遺伝情報を保有する。

 ジ社は四月、検査を受けた人が結果を見るのに使うスマホアプリに遺伝情報の提供機能を追加すると発表。アプリに表示された製薬会社などの研究計画から協力できるものを選んで同意すると、性別、年齢、生活習慣、病歴などとともに匿名で遺伝情報が提供される。対価として提供者は、情報量などに応じ、ジ社の別の検査などに利用できるポイントを受け取れる。年内には他の一般的なポイントとの交換も可能になる予定だ。

 提供を受ける企業側にとっては、製品開発に最適な遺伝的な特徴を持つ人を簡単に探すことができる。

 ジ社は「世界的に遺伝情報を個別化医療や予防医療に役立てる機運が高まる中、シェアリングエコノミー(共有型経済)の概念を導入する先駆的事例」と意義を訴える。研究協力の呼び掛けには、製薬会社の他、化粧品や食品関係の会社が興味を示しているといい、ジ社は当面三十万人程度の提供を目指す。

 ただ遺伝情報を調べれば本人の病気のかかりやすさや身体的特徴が分かる上、血縁者についてもある程度知ることができる。万一、外部に漏れた場合、遺伝情報による差別などの深刻な問題が起きる危険性がある。

 また未解明な部分が多い遺伝子に関する情報を、医師らを介さずに本人が入手できる検査ビジネス自体を問題視する向きもある。

 遺伝子検査ビジネスに詳しい高田史男・北里大教授は「顧客の射幸心をあおるポイントの代価として、高度なプライバシーである遺伝情報を業者が入手していいのか、倫理的観点から疑念が残る」と指摘する。

 その上で「専門家ではない一般の人が、アプリの画面を見ただけで研究内容やリスクを理解できるのか。謝礼を目的に理解が不十分なまま提供に同意すると、本人が想像していなかったことに遺伝情報が使われて不利益を被るかもしれない」と話している。

https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2019060702000296.html

ジェネシスヘルスケア

https://genesis-healthcare.jp/

個人の遺伝情報をポイントビジネスにするとか。各業界でニーズがあるのはわかります。

水質改善しすぎて不漁 全国初、県が窒素濃度に下限

兵庫県は県内の瀬戸内海で、水質の環境基準を独自に見直す方針を固めた。瀬戸内海は水質改善が進んだ半面、魚介の栄養素となる窒素などの「栄養塩」が減り、漁獲量の減少やノリの色落ちが問題となっている。国の現行基準は窒素の濃度を、工場地帯などを除き主に海水1リットル当たり「0・3ミリグラム以下」としているが、県は「同0・2ミリグラム」という下限基準を加え、一定の窒素濃度を保つ考え。県によると、海水の環境基準に下限を設けるのは全国初という。(山路 進)

3日の県環境審議会の小委員会で新基準案を提示する。同委員会での議論を経て、早ければ年内にも下限基準が設けられる見通し。

県内の瀬戸内海の窒素濃度は、高度成長期直後の1977年度に1リットル当たり0・7ミリグラムまで上昇。窒素などの栄養塩を餌とするプランクトンの大量発生で赤潮が多発し「瀕死(ひんし)の海」と呼ばれた。73年には瀬戸内海環境保全臨時措置法(現在の瀬戸内海環境保全特別措置法)が制定され、工場排水などの規制が強化された。

これにより窒素濃度は年々低下。2016年度には工場地帯を除くと同0・14~0・18ミリグラムとなり、劇的に水質が改善した。一方、90年代半ばからノリの色落ちが顕在化し、近年は春の風物詩であるイカナゴのシンコ(稚魚)が極端な不漁に陥っている。

こうした問題から15年に特別措置法が改正され、「美しい海」を求めてきた政策を転換。水産資源が豊富な「豊かな海」を目指す理念を掲げた。18年には水産庁の外郭団体が漁業者らに対し、水産生物に最適な窒素濃度を「0・2ミリグラム以上」とする参考値を示していた。

県は同法改正などを受け既に、一部の下水処理場から海に流す水の窒素濃度を高める試みを進めており、新基準と合わせて対策を加速させる方針。

県環境審議会の委員会メンバーである藤原建紀・京都大名誉教授(水産学)は「窒素濃度0・2ミリグラム以下はダイビングに適するほどの透明度。瀬戸内海では海藻だけでなく、アサリや小魚などにも影響が出ており対策が急がれる」としている。

◇     ◇

【栄養塩】 植物プランクトンや海藻の栄養となる、海水中に溶けた窒素やリン、ケイ素など。不足するとカキの質低下などにもつながるとされる。植物プランクトンを餌とする動物プランクトン、さらにこれを食べる魚-という食物連鎖を支える要素にもなっている。

https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201906/0012391196.shtml

イノシシ捕獲3割増へ 県が豚コレラ対策を強化

家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染が拡大している問題で、県は、ウイルスを拡散させている野生イノシシの対策を強化する。イノシシの捕獲頭数をこれまでより三割多い年間一万三千頭に目標を設定し、経口ワクチンの散布範囲を拡大する。

 二十二日、県庁で開かれ豚コレラ対策のための有識者会議で方針を示した。

 捕獲数の目標を年間一万三千頭としたのは、環境省の調査に基づいて推定される県内生息数一万六千頭と、自然増加率を基に計算した。三年間続ければ、理論上、感染イノシシはゼロとなる。今後、県独自の推計で、イノシシが増えれば目標も見直す。県内では、すでに年間一万頭を捕獲している。

 県が示した案では、昨年九月から県南部で進めている豚コレラの調査捕獲を、飛騨地方を含めた県内全域に拡大するほか、市町村の有害捕獲奨励金を県が上乗せしたり、秋以降の狩猟について県独自の報償金を創設したりして捕獲増を促していく。

 経口ワクチンの散布エリアも七月以降、現在の千八百平方キロ(九百三十七カ所、約二万八千個)から三千二百平方キロ(千六百カ所、四万八千個)へと拡大する。新たに揖斐川町と東白川村を加え、計二十三市町村が対象になる。

 これまで県内で確認された、豚コレラに感染した野生イノシシは約四百二十頭。新たに見つかった野生イノシシからウイルスの陽性反応が出る確率が高まっている。発見場所も郡上市や中津川市など県中部や東部に拡大している。記者説明で河合孝憲副知事は「長野県に近いところで陽性のイノシシが出たので、次の手を打つ必要がある。撲滅は不可能だが、目安の数値を示して順次対策を進めたい」と述べた。

https://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20190523/CK2019052302000021.html

 

魚類養殖が主力、山木産業が民事再生法申請

愛媛県愛南町の山木産業が4月19日に松山地裁宇和島支部へ民事再生法の適用を申請。負債総額は24億円の見通し。

「愛媛」 (株)山木産業(南宇和郡愛南町赤水363、代表山木光広氏、従業員15名)は、4月19日に松山地裁宇和島支部へ民事再生法の適用を申請し、22日に保全命令を受けた。

申請代理人は高橋直人弁護士(松山市千舟町4-4-1 グランディア千舟302、高橋直人法律事務所、電話089-915-1622)ほか2名。監督委員には越智顕洋弁護士(松山市一番町2-5-20 藤倉ビル2F、一番町法律事務所、電話089-961-1447)が選任されている。

当社は、1962年(昭和37年)6月創業、77年(昭和52年)8月に法人改組した魚類養殖業者。カンパチ、ハマチ(ブリ)などを養殖し、魚類卸業者や魚市場を販売対象として事業を展開、太平洋の黒潮がめぐり適度な水深や水温の高さもある魚類養殖に適した漁場環境を強みとして、事業を拡大していた。

しかし、2011年9月、当時の主力得意先が倒産したことで多額の不良債権が発生、取引行支援などで急場を凌いだものの、以降も資金面で不安を抱えての事業運営となっていた。その後、餌料高騰や魚価の低迷、養殖魚の歩留まり悪化、赤潮や災害発生により、2018年3月期には年売上高約10億4000万円、当期純損失約4億5000万円と採算確保に苦慮していた。設備投資や不良債権処理、赤字補填などで膨らんだ借入金も負担となり、今回の措置となった。

事業は継続中。

なお、債権者説明会を4月26日(金)13:30~14:30、ニュー兵頭サブライムホール(宇和島市丸之内3-6-20、電話0895-23-8888)で開催する。

負債は、2019年3月期末時点約24億円。

http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4574.html

いろいろ原因はあろうかと推察しますが、自然豪雨による土砂流木災害+赤潮発生時の被害予想は難しい

サカタのタネ-2019年5月期第3四半期決算発表

世界的に異常気象が頻発していることから、厳しい生育環境にも適応する高品質種子への需要がますます高まり。

第3四半期連結累計期間における業績は、海外卸売事業での中国向けニンジン種子の主な販売時期を第4四半期に変更したことや為替レートが前年同期比で円高となり約14億円の減収影響を受けたこと、天候不順による小売事業の売上減少などから437億32百万円(前年同期比15億51百万円、3.4%減)。

花種子は、ヒマワリやキンギョソウなどは増加したが、トルコギキョウ、パンジー、ケイトウなどが減少。資材は、台風などの災害復旧による農業用ハウス関連資材の特需などにより、増収。セグメント営業利益は、粗利益率が低下したことなどから、減益。

地域別状況

アジアは、ブロッコリー、ネギ、ヒマワリ、プリムラなどは増加しましたが、販売
時期の変更に伴うニンジンの減少額が大きく、前年同期比大幅な減収。

南米は、ブラジルでの市況回復の足取りが重く、野菜種子全般の売上が低調だったことに加え、現地通貨安の影響を大きく受け、前年同期比で大幅な減収。

一時的に出荷を見合わせていた中央アジアとエジプト向けトマトの出荷は再開。

北中米は、カボチャ、トマト、ヒマワリなどが増加したが、ニンジン、ペッパーなどが減少。現地ベースでは前年同期比で増加したものの、為替レートが前年同期比で円高となった影響を受け、円ベースでは微減。

品目別

野菜種子はネギの売上が大きく伸びたが、ニンジンが大幅に減少したほか、カボチャ、タマネギなども減少した結果、前年同期比で減収。花種子ては、アジア・北米向けのヒマワリの売上が好調だったことに加え、カンパニュラ、ダイアンサスなどが増加した結果、前年同期比増収。

ホームガーデン分野は、猛暑や台風などによる園芸用資材や野菜種子、苗木などの店頭販売鈍化の影響が大きく、売上高は前年同期比減収。

クリックしてSAKATA20190405_quarterly_reports3.pdfにアクセス

野犬が桂川河川敷で繁殖、解決策見えず 行政「餌ダメ」と注意も

京都市右京・西京両区の桂川河川敷で「野犬が増加している」「行政は何をしているのか」との声が読者メールなどを通じて相次いで寄せられ、現場に行った記者も野犬に遭遇した。数年前から住み着いていた成犬が繁殖したとみられ、行政もえさを与えないよう呼び掛ける看板を追加したり檻で捕獲したり対策をとるが、抜本的な解決に至っていない。

松尾橋右岸沿いの嵐山東公園(西京区)は子どもの遊び場だ。土手沿いを2匹の小型犬と散歩中だった会社員女性(33)は「野犬は大型の雑種で、散歩中に襲われたりしないかと最近は警戒している」と神経をとがらせる。記者が上野橋上流左岸(右京区)で夕刻に見た2匹は、河原で昼寝をしていたが近づくと威嚇するようにほえた後、茂みに逃げ込んだ。

近くの住民の話によると、数年前から松尾橋と上野橋間の左岸河川敷に住み着いていたが、徐々に子どもを産んで増えたという。次第に川を泳ぐなどして北上し、3月上旬には渡月橋下流付近まで範囲を広げたという。

同じ時期に、桂川を管理する国交省淀川河川事務所は京都市医療衛生センターと連名で、注意喚起とえさを与えないよう呼び掛ける看板を渡月橋と松尾橋間に9枚追加し、14枚とした。

捕獲用の檻(おり)を2013年ごろから設置している市医療衛生センターと動物愛護センターによると、昨年4月から今年3月下旬までに39頭を捕獲したうちの半数以上が子犬だったという。

現在も10数頭がいるとみられ、日中でも茂みの中からたびたび鳴き声が聞こえる。警戒心が強く、人の目を避けて行動している。

市医療衛生センターは「繁殖の要因となる、えさを与えないで」と訴えている。

https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20190407000024

久世から大山崎下流域にもいたと思いますが、護岸工事して姿が見えなくなりましたね。

2019年4月3日京都新聞朝刊から

水産庁、魚種別に資源目標設定へ 19年度算出、漁獲枠影響も

様々なニュースメディアで取り上げられてる。

水産庁は魚種別に資源の回復や維持を目指す目標水準を新たに設定する。資源分析を担う研究機関が目標とすべき水準の算出を一部魚種で2019年度に始め、20年度以降の漁獲枠などに反映される見通し。長期的な漁獲量の改善が狙いだが、短期的には漁獲枠の抑制など以前より厳しい管理につながる可能性があり、漁業者の理解を得ることが課題になりそうだ。

20年に関連法が施行される予定の水産改革の一環。長期的な観点で最大の漁獲量を実現する資源水準を目標として設定した上で、目標達成までに費やす期間などを関係者で議論し、漁獲量などの管理策を決める。

対象魚種:スルメイカ、マイワシ、マアジ、マサバ、ゴマサバ、スケトウダラ、ウルメイワシ、カタクチイワシ、マダラ、キンメダイ、キチジ、ホッケ、ブリ、マダイ、ハタハタ、イカナゴ、サワラ、ヒラメ、ムシガレイ、ソウハチ、ヤナギムシガレイ、トラフグ

TAC(漁獲可能量制度)について

http://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/s_tac/index.html

ニッスイおよびグループ企業・弓ヶ浜水産㈱、日立造船㈱とマサバ循環式陸上養殖の共同開発に着手

日立造船は3日、日本水産および日水子会社の弓ヶ浜水産と、大規模なマサバ循環式陸上養殖の共同開発に着手することで合意したと発表。

この共同開発は、ニッスイおよび弓ヶ浜水産の保有するマサバ養殖の知見と、日立造船の保有する水処理技術を組み合わせて、鳥取県米子市に建設予定の実証施設を拠点に行われるようです。

マサバの海面養殖では、一般的に、水温の変動や気候、病気などのリスクが高いという問題が指摘されています。
本共同開発が採る循環式陸上養殖システムでは、地下海水(地下から汲み上げた海水に近似する塩分を含む地下水)の利用と、日立造船の水処理技術を活用した循環水処理システムにより、水温・水質を人為的にコントロールし、マサバの生育に最適な環境を保つことが可能です。外海の海水を使用しないため、アニサキスなどの寄生虫や魚病などのリスク低減が期待されます。自然環境に左右されないマサバの安定供給が可能になります。

■本実証施設で取り組む課題
①飼育水中の固形物除去の効率化
システム内で発生する残餌、排泄物などの固形物は、飼育水の水質悪化の要因となるため、速やかに系外に排出する必要があります。日立造船の流体シミュレーション技術(水槽内の水流をコンピュータ上で再現する技術)を活用し、固形物除去の効率化を目指します。

②硝化処理の効率化
養殖魚から排出される排泄物や残餌由来のアンモニアは、養殖魚にとって毒性が高いため速やかに分解除去が必要です。この硝化処理に、日立造船が開発した、工場排水などの生物処理で多くの実績を有する浮遊性ろ材を活用した硝化処理システムを適用して効率を上げ、硝化設備のコンパクト化、イニシャルコストの低減を目指します。

③ランニングコスト低減の為の省エネ化
システムの効率的な運転手法の開発や運転制御の導入等により省エネを図り、電気代等のランニングコスト低減を目指します。

④生産技術、養殖管理技術の確立
養殖魚にとって最適な生育条件(水温・水質・水流・光周期等)を見出し、それらを人為的にコントロールする生産技術・管理技術を開発し、高い養殖生産性を実現することを目指します。

今回の両社の共同開発を通して、システム全体のパッケージ化により競争力のある陸上養殖システムを構築して、国内での循環式陸上養殖の産業化を目指します。これによって持続可能な水産物の安定的供給への寄与を狙います。

https://www.hitachizosen.co.jp/news/2019/04/003257.html

昨今のサバ缶ブームといい、サバも大規模養殖化の流れか。