きのこ漫談11-1

きのこ漫談10

桂菌師の本日のきのこさん、いらっしゃい!

「どんな人が来るか、楽しみやね」「ほんとですね」

「夫:奈良県出身ヤマブシタケ、妻:三重県出身キヌガサタケ」(どん)

「今度は奥さんがまた来はったわー」「違う人連れてるしーってもうこのくだりええか」「そうですね」

「旦那さんは・・・ちょっと畏まってしまうけど、住職さんで?」

「夫:先日は弟子たちがお世話になりしました」

「え、あのミュージシャンの人らお弟子さんでしたか、道理で淡々としてはったんですね」

「夫:何かの縁ですし、この際、堅苦しいのは抜きにしましょう」

「ありがたいお言葉で、では早速」

「こんな美人の奥さんとどこで出会わはったん?」「接点がなさそうに見えるけど」

「妻:私から言わせて下さい」

「妻:私、よく願掛けに行ってたんです、彼のお寺に、家が近所なものですから」

「妻:私ってなぜか『雨女』で、大事なレースの試合になるといつも好天に恵まれなくって、で、彼が着ているその白いフード付きのドレスコードを私に貸してくれたんです、『これを着てレースに行ってみてわ』と」

「よー借りる人やなあ(笑」「ふふふ」

「しかし、なぜ貸さはったん?旦那さんそれ大事なもんでっしゃろ?」

「夫:法具ではありますが、ついつい看かねて、彼女、雨の日でも傘もささずに、ずぶ濡れで願掛けをしていたものですから」

「妻:だって、自分だけ傘さして雨を凌いでも何かご利益ないなあと思って」

「妻:そしたら、それを着てレースに参加した時は見事な晴天になったんです」

「妻:後日、お借りしたドレスコードを返したくって、・・・」

「もうそのくだりええわ(笑」「ははは」

「妻:これだけは最後に言わせてください、彼が私の『てるてる坊主』だったってことを」

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「後日談があるんやけど、聞く?」「はい?」

「彼女、出家したそうやで」「え?」

「レースクイーンが出家の道か、どんな道やろな」

きのこ漫談11-2