茸師の部屋11

茸師の部屋10

「ファッションデザイナーで雑誌『HOUGE』の編集長でもあられますヤマブシタケさんです」

「私生活とかもお聞きしたいと思います」

「宜しくお願いします」

「これまたすごい衣装ね」

「ええ、私共は主にM’sというブランドをメインに展開をしています」

「今日は校正中の一部をお見せしたいと思いまして、ご用意いたしました」

「これは全身に金粉をあしらったものですね」

「これらはある共通のモチーフを想定してデザインされているものです」

「あら、どんなモチーフかしら(笑」

「雑誌の編集とかって大変じゃなくって」

「そうですね、四六時中そのことばかり考えていて、私生活もあったものじゃありませんね」

「なぜ、そこまでされるの?」

「私共はこれらが神通力を宿った天具として私共の前に顕現して頂いているということを常に意識しております」

「そして、それはこれを造形したものに敬意を払うと共に、少しでもその意匠を汲んでそれをより多くの皆様にお伝えをするという使命を感じて取り組んでおります」

「私生活についてですが、普段からお仕事の事を考えているとおっしゃいましたが、どうしたら、そんなお考えになるのかしら?」

「そういう環境に身を置いたり、囲まれていると自然とそうなるかと」

「中には鈍感な者もいますけど(笑」

「それって、『The Beast Wears Beauty』ってこと?」

「言い得て妙ですね」