初出勤当日の出来事は今でも鮮明に思い出す。
上司から猟友会への挨拶がてら、”捕獲檻に入ったイノシシの止め刺しに行くぞ”
マジか!?
いきなりか。
”こんなことよくあるんですか?”
”毎日やで、そやから君らを雇たんやで”(私含めて3人が新規に採用されていた)
現場に到着すると、檻の管理をしてくれている地元の猟友会のおっちゃんらがいた。
春先なので、毛が抜けかかっていた豚みたいなデカいイノシシが入っていた
”新入りの子なんで、よろしく”
”おー若い子やん、前はおっさんやったからなあ、期待しとるで”
”よろしくお願いします”
いろいろ、現場でのやり取りが説明される。
”まあ、基本的には猟友会の人らが止め刺しするから、その手伝いや、檻から死体をひっぱりだしたり、軽トラに積んだり、罠の再設置をしたり、ヌカまいたり”
”じゃあ、次いくで”
え、え
次の現場では、畑の網に絡まったシカがいた
”これは俺らがやるし、見といて” えええ
どこからともなく、鋭利なもので、仕留める。
”さあ、これを火葬場に運ぶで”
”最初やから、いろいろ手続き踏んだけど、明日からやってもらうから”
えええええ
”俺らは市民からの依頼・苦情対応が仕事やから、すぐに現場に出向いて処理するんや”
初出勤を終え、帰宅した晩は興奮して寝れなかった。
明日からどうしよう、とかではなく 明日はどんな現場があるんだろうか という高揚感に満ちていた