“りょうし”への道-猟師編②

初出勤当日の出来事は今でも鮮明に思い出す。

上司から猟友会への挨拶がてら、”捕獲檻に入ったイノシシの止め刺しに行くぞ”

マジか!?

いきなりか。

”こんなことよくあるんですか?”

”毎日やで、そやから君らを雇たんやで”(私含めて3人が新規に採用されていた)

現場に到着すると、檻の管理をしてくれている地元の猟友会のおっちゃんらがいた。

春先なので、毛が抜けかかっていた豚みたいなデカいイノシシが入っていた

”新入りの子なんで、よろしく”

”おー若い子やん、前はおっさんやったからなあ、期待しとるで”

”よろしくお願いします”

いろいろ、現場でのやり取りが説明される。

”まあ、基本的には猟友会の人らが止め刺しするから、その手伝いや、檻から死体をひっぱりだしたり、軽トラに積んだり、罠の再設置をしたり、ヌカまいたり”

”じゃあ、次いくで”

え、え

次の現場では、畑の網に絡まったシカがいた

”これは俺らがやるし、見といて” えええ

どこからともなく、鋭利なもので、仕留める。

”さあ、これを火葬場に運ぶで”

”最初やから、いろいろ手続き踏んだけど、明日からやってもらうから”

えええええ

”俺らは市民からの依頼・苦情対応が仕事やから、すぐに現場に出向いて処理するんや”

初出勤を終え、帰宅した晩は興奮して寝れなかった。

明日からどうしよう、とかではなく 明日はどんな現場があるんだろうか という高揚感に満ちていた

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です