別の仕事とは飼養動物の管理つまり、動物園の飼育員みたいなもので、その施設の管理を任された。
生物を殺すこと、生物を活かすこと、両方の仕事をやることになったのだ。
二年目は個人的に至高の一年だった。
生物の観察・研究を思う存分堪能することができた。
ちょっとした事をすぐ試せるいい環境であった。
この頃から、農地に鳥獣の侵入を防ぐ防護柵の設置が施工され始めた。
これに伴い、獣の出現ルートが変化し始めた。
一年目のような何でもありな環境に出現するということは珍しくなったし、檻・罠による捕獲圧の高まりに伴い、それの対処に時間を要するようになった。
ある意味、鳥獣被害対策の安定期に向かいつつあった。
それと同時に、ここまで引っ張ってくれた上司が異動となった。
それは私の”有害駆除の捕殺員”としての仕事の下降曲線を辿ることを意味していた。