“りょうし”への道-漁師編②

同じ街でも所変われば、視点も変わる。こんな場所に港があったのかと

中途採用の9月から船に乗ることになった。

その時は、夕方日暮れから漁に出て、真夜中には終了する巻き網漁に出ていた。

体験した漁とはまた別の漁で、肉体的にとてもきつかった漁法。

港から出て、魚探に反応があれば、ものの10分ぐらいでいきなりやりだす。

最初は網で囲った魚をでかいタモで氷間に放り込む作業をする(イケマとかもいうが)

それが終わったら、網の回収、これを人力でやるからとてもしんどい。

”まあ、最初は体も慣れてへんから、そんなもんやろ”

”そんなことよりも、もやいをマスターせんとな”

もやい?

もやい結びとはちがうタツにかけるロープテクニックである。

船の用語とか方言なのかと思うくらいにいろいろ名称があって、それを覚えるのに苦労した。

ちょっとした休憩とか、漁の合間を見つけてはもやいを練習した。

体の向き、利き手関係なく、迅速かつ安全にできるかどうかを

ちょっとしたロープの持ち方の違いで指を挟んだりしたら、軽く指が飛ぶと冗談交じりに言われたが、ほんとに油断してるとやばい。波の揺れ、船の重さ、もろもろいかなる条件でも出来るようにと

この頃は休みの日には小型船で刺し網漁にも出ていた。

これは2人だけのこじんまりとした漁だったが、すべてが少人数で完結できるからいいなと思っていた。

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