東北大や国立科学博物館などの研究チームが、湖沼に生息するプランクトンの種類や量を画像から判別する人工知能(AI)の開発に乗り出している。湖沼の水質改善や生態系の維持に役立てる狙い。環境省は今年度から3年間で、計約9000万円の研究費を配分する見込みだ。 【図解】ひと目で分かる…プランクトンを判別する新たなAI技術
水中のプランクトンは、気温の変化や富栄養化で増殖して赤潮を引き起こしたり、悪臭の原因になったりする。水質の浄化にはプランクトンの数や種類の把握が重要だが、顕微鏡で調べるのは時間や人手がかかる。
チームは琵琶湖や霞ヶ浦などに生息するプランクトン約600種の撮影画像を約20万枚用意し、形やサイズの特徴をAIに学習させている。今後2年間でAIの性能を高め、湖沼から採取・撮影した水の画像から、プランクトンの数と種類を自動的に識別する技術の確立を目指す。
2026年度からは、調査機関や民間企業と共に全国の湖沼やダム湖で実証実験に着手する計画だ。将来的には、湖沼よりもプランクトンが格段に多い海への技術の応用も検討する。
チームの占部城太郎・東北大名誉教授(水圏生態学)は「地球温暖化によって今後、湖沼の環境が大きく変わる可能性がある。AIによる効率的なプランクトンの判別技術を確立し、全国的なデータの収集につなげたい」と話している。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/14d19fe3df04bb9c33e2ae41acc77eceb7ea0898