東京から約100キロ離れた千葉県館山市は、近海を流れる黒潮の影響で漁業が盛んだ。4月中旬の早朝、「栄の浦漁港」で水揚げ作業が始まっていた。定置網漁の船から下りた小林圭(54)は、慣れた手つきでイサキ、タカベなどの魚を運ぶ。「今日は少なめだ」。同僚たちと仕分けに汗を流す。小林は8年前に東京から館山に移住。地元の水産会社で働く。館山には中学時代から父に連れられ、スキューバダイビングによく来ていた。今もサーフィン、釣り、シーカヤックなどのマリンスポーツを楽しむ。館山沖は昔からブリ、カンパチなどもよくとれる。そんな海で近年、異変が起きている。漁獲量が減り、魚の種類も変わってきた。温暖化や潮流の変化が一因とされ、小林は「最近は南方の海で生息していたはずのシイラやサメなども目立つ」と話す。◆温暖化で漁獲量3割減も、「廃棄」魚を商品化へ
千葉県の大型・小型定置網漁業の2020年漁獲量は計7900トン。10年前と比べて3割ほど減った。サメなど需要の少ない魚やサイズの小さい魚もよくかかるが、多くは未利用魚として廃棄されていた。小林は「このままでは漁業が衰退する一方だ」と昨年11月、知人や地元住民とNPO法人「AWA369」を設立。未利用魚の商品開発を進める。これまでサメを使ったかまぼこや、小さいイワシなどを用いた調味料「魚醤」を試作。魚のすり身団子「フィッシュボール」も、ゆくゆくは市内の店や周辺のキャンプ場で提供したいという。「魚をとるだけでなく商品化して生産性を上げれば、雇用を増やすことにもつながる」館山で漁師になるまでの半生は、仕事や住む土地も移り変わってきた。◆世界を股にアテンド、飲食業経営も震災を機に…
東京都中野区出身で、高校卒業後にニューヨークへ留学。語学学校に半年ほど通うが、「遊ぶことが楽しくなった」と自主退学する。当時の日本はバブル経済のまっただ中。海外旅行する日本人が増えていた。小林は、日本人旅行者に観光スポットやレストランを紹介するアテンドの仕事を始めた。米国から東南アジア、インド、ヨーロッパを転々とし、アテンドで生計を立てて20代を過ごす。30歳で帰国し、東京都内で防災設備の販売会社に就職。外食やお酒が好きで飲み歩くうち、飲食業にも興味を抱く。会社勤めのかたわら都内でラーメン店や、フランス料理を出すバーを経営するようになった。40代で脱サラし、飲食業に専念。「常連客を増やすため、付き合いで毎日のように飲酒していた」。やりがいは感じていたものの人間関係のストレスはあり、年齢とともに体もつらくなってきた。休日に息抜きで訪れていた館山と、東京での「2拠点生活」を始めた。さらに移住へ背中を押したのは、2011年3月の東日本大震災。銀座で買い物中に大きな揺れに襲われ、「都会でひとたび大災害が起きれば何もできない」と感じた。店を他人に譲り、恋人と館山に移住した後、結婚した。◆地域で暮らすために必要なこと
小林は朝の漁を終えると、森へ向かう。雑草の伸びた茂みや獣道が、もうひとつの「職場」だ。昨年に狩猟免許を取り、「くくりわな」の猟を始めた。イノシシなどが通った痕跡の近くに穴を掘り、ワイヤの輪でわなを仕掛ける。獣が穴に足を落とせば、ワイヤが巻き付いて逃げられなくなる。これまでアナグマや、100キロを超すイノシシもかかった。捕らえた獲物は別の猟師が銃で仕留め、小林はナイフで血を抜く。自ら解体し、食べる。アナグマの肉は、今まで味わったことのない脂のうまみを感じた。ただ季節や個体によって、脂の量や肉の硬さは違う。「野生の獣肉には均一性がない」と知った。大きな獣を殺すのは、決して気持ちのいいものではない。それでも「地域で暮らすために、やらなければしょうがない面はある」と語る。館山の集落を歩けば、あちこちに耕作放棄地を見かける。獣が人の住む地域に出没し、田畑を荒らしてきた。市内では2021年度に11ヘクタール超、野菜など87トンの被害が出た。被害額は2700万円を超え、千葉県内の市町村では最悪だった。小林が猟を始めたのは、猟師の少ないことに加えて「多くの農家が獣害で困っているのを見た。移住した自分が地域になじみ、受け入れてもらうためにもやってみようと考えた」からだ。漁師と猟師の掛け持ちは、館山の自然と向き合ううちに選んだ。収入は主に漁の仕事から得るものの、東京で暮らした当時より減った。その半面、魚や肉は自分でとり、野菜は近所の農家からもらえる。「東京は家賃や駐車場代などが最低でも20万円はかかっていた。それが館山では半分ほどで済む。生活費はそれほどかからない」移住してみると、1次産業の衰退だけではない、過疎の現実も目の当たりにした。空き家が少なくなく、子どもを見かけることはまれだ。小林は地元住民から漁や猟を学び、消防団にも入った。自分と同じように移住した人たちとも知り合い、「いろいろな人が自然と集まり、コミュニティーのようなつながりができればいい」と考えるようになった。◆コロナ禍で進んだリモート、移住…大切なことは
近年、過疎に悩む地方自治体は競うように移住者を募集している。コロナ禍の影響で、移住に興味を持つ人も増えている。総務省の調べでは、21年度に自治体の窓口などに寄せられた移住に関する相談は約32万4000件で、15年度(約14万2000件)の2倍超に。コロナ禍やリモートワークの普及も一因とされる。「どこで暮らすか」を問い直す人が少なくないなか、小林は、実際に移住しても地域になじめず戻る人もいると指摘。「館山に限らず、移住するなら地元住民との関係をつくることは大切。どこで暮らすにしても1人では生きていけないからだ」と話す。さまざまな国で暮らして働いた経験から、お金をかせぐだけなら東京にいたほうがいいかもしれないとも思う。だが、「自然豊かな館山は、自分には素晴らしい宝があるように見える。今後は、若者の定住につながるような活動ができるといい。先の見えにくい時代だが、不安ばかり言っても仕方ない」と前を向く。NPO活動で空き家を補修し、貸し出す計画も進めている。活動を通じて市長と知り合い、行政とのつながりもできつつある。「外から来た自分と行政の人々とは、地域の将来を考える視点で重なる部分もある」。移り変わる人生で関わった「まちづくり」に、今はやりがいを見いだしている。(中山岳、文中敬称略)◆デスクメモ
最近はホームセンターに鳥獣用の電気柵や箱わなが並んでいる所もある。減っていく人口と入れ替わるように出没する野生動物は、地方共通の悩みの種。負担を分かち合おうと、猟師を始めた小林さんの選択に納得する。海と山で地元に溶け込み、地場の産業で生きていく二刀流だ。(本)=おわり
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人気食材シロギスの完全養殖に世界で初めて成功、漁獲量少ない冬季に出荷へ 広島県福山市のクラハシ
水産物卸のクラハシ(広島県福山市)は、食材として人気の高いシロギスの養殖に乗り出した。養殖技術を開発した福山大と協力し、量産に向けた実用化に成功した。採卵からふ化、育成までの完全養殖は世界で初めてという。沖縄県に整備した採卵施設などを拠点に「びんごの姫」のブランドで天然の魚が捕れない冬季に供給する。 【画像】クラハシが沖縄に整備した種苗研究センター 養殖は、温暖な沖縄県の伊平屋島で行う。クラハシは昨年4月、現地に種苗研究センターを整備。採卵して稚魚が育ったら、現地の漁協が所有する陸上養殖施設に移して育てる。水温や明るさを調整することで、従来は難しいとされてきた産卵のコントロールに成功したという。冬場の水温が高いため、通常より3割以上短い1年弱で出荷が可能となる15センチ前後に育つ。 シロギスは本州近海で漁獲される。臭みのない白身で刺し身や天ぷらとして人気が高い。産卵のために浅瀬に集まる3~10月の水揚げが多い一方、冬は極端に漁獲量が減り、高値で流通する。近年は漁獲量も少なくなり、市場での不足を補うため魚種の近い魚が輸入されている。 福山大は2015年、養殖の研究に着手。クラハシも18年から参画し、今年2月に完全養殖に成功した。飲食店での需要を想定し、今年10月の出荷開始を目指している。 養殖では、漁の際にできる傷がないという利点もある。同社は、将来的には生産を年50万匹に拡大させ、海外へも販路を広げたい考え。倉橋彩子専務は「一年を通じて安定供給できるようになり、天然の魚の回復にもつながる」と話している。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/7b8aaa7e8e6e34a5707c475038e075483e19595
豚熱「最前線」
兵庫県-本県における野生イノシシでの豚熱感染確認
https://web.pref.hyogo.lg.jp/press/20220712_10744.html
香美町で発見された死亡野生イノシシ1頭及び、神戸市、豊岡市で発見された捕獲野生イノシシ2頭について、豚熱PCR検査を実施した結果、豚熱感染が確認されました。なお、香美町では初めての陽性確認となります
「豚熱」防御線を移動 ワクチン散布も続く侵入 西日本防疫最前線のまち
徳島市 野生イノシシ1頭が豚熱感染を確認 四国では初めて
デンソーが大規模野菜工場 自動車技術で「食」をDX
デンソーは、自動車業界で培った技術を活かした「食」分野への取り組みについて記者会見を開催。中・大規模野菜工場や、物流の改革、QRコードを使った産地証明の取り組みなどについて語られた。
現在、日本の農業の労働人口は減少し続け、平均年齢も68歳と高い。生産、物流、消費の各課題に対してソリューションを提供し、フードバリューチェーン全体の課題を解決することで食の安心・安定供給に貢献することを目指す取り組み。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1422854.html
施設園芸・植物工場展2022
https://www.gpec.jp/index.html
川添ヤギ牧場破産手続き開始
国内最大規模の川添ヤギ牧場(南国市大そね乙、鈴木理紗代表)が事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが4日分かった。帝国データバンク高知支店によると、負債総額は約2500万円。
同支店などによると、同社は2009年に創業し、20年に法人化した。臭みのないヤギ乳や低カロリーな肉を生産し、約650頭を飼育するまで成長。ミルクや肉の卸売りやインターネット販売も手掛け、21年11月期は年商約4300万円を計上した。
引用:https://www.kochinews.co.jp/article/detail/547030
「神戸でおいしい魚がいっぱい取れることを知って」 神戸の港で水揚げされた魚を満喫 イベント「海と、魚と、」
神戸の海の幸を堪能できるイベント「海と、魚と」が、3月20日(日)、神戸市兵庫区の駒ヶ林漁港横倉庫で開催される。同イベントを主催する駒ヶ林浦漁業会会長の前田勝彦さんに、神戸での漁業やイベントについて話を聞いた。
前田さんによると、神戸・長田港は、明治時代から100年以上の歴史を持つ魚市場があり、その昔には漁師町として栄えた場所。魚を扱う市場のさきがけとして、全国にある中央卸売市場の原型モデルにもなっている。現在も日曜日以外は毎日競りが行われ、持ち込まれる魚の量にもよるが、その競りのスピードは速く、速い時は10分くらいで終了する。神戸には7つの漁業の支部があり、それぞれから長田港に集められる。また昼網は垂水で行われている。
そのなかで、駒ヶ林漁港の漁は主に底びき網漁で行われ、カレイ、ヒラメ、タコ、カニ、エビ、タイなどが水揚げされる。駒ヶ林の港で多いのは、チヌやヒラメ。特にこの時期はチヌがおいしいそう。
3月20日に開催されるイベントでは、地元の漁師や飲食店が集結。普段、市場では一般客は購入できないが、このイベントでは取れたての魚が安価で提供される。今回の注目は、「潜水漁」の漁師が出店すること。潜水漁とは、網で取るのではなく、実際に海に潜ってサザエ、アワビ、ナマコ、などを取る漁のこと。神戸では、この冬の時期にしか潜水漁は行われないので貴重だ。
「旬の時に旬の魚を食べていただきたい」というのが、このイベントの大きな目的。前田会長は「神戸といえば、港町、ファッション、パン、スイーツなどをイメージする。神戸と漁業はなかなか結び付かないと思うが、神戸にも素敵な港があって、漁師さんがいて、目の前の海がすごくいい漁場で、おいしい魚がいっぱい取れることを知っていただきたい」と呼びかけていた。
HP:海と、魚と、https://www.umitosakanato.jp/
女子大生が琵琶湖の漁師を目指し「修業中」 オンライン授業期間、日本各地の漁業者を訪ね
神奈川県出身の女子大生が、琵琶湖の漁師を目指して滋賀県高島市マキノ町で修業している。卒業後、就業できれば琵琶湖で初の女性漁師になるといい、師匠役の漁師中村清作さん(36)は「どんな作業でも、やる気が前面に出ているのがとても良い」と評価。後継者難に悩む地元の期待を集めている。
東京海洋大3回生の田村志帆さん(21)。神奈川県相模原市で生まれ育ち、幼少期から魚に興味があった。近所の相模川でフナやアユなどの淡水魚を捕って観察することが好きだったという。その後、漁業への関心も高まり、大学では水産経済や漁業経営を学んできた。
昨年春からのコロナ禍の影響で、大学はオンライン講義に移行。どこにいても講義が受けられることから、田村さんはこの期間を漁業の現場を肌で知る機会にしようと、知人のつてを頼って日本各地の漁業者を訪ねることにした。昨夏には船舶免許2級も取得。京都府宮津市のトリガイや京都府伊根町のカキの養殖をはじめ、秋田県では底引き網漁、富山県ではホタルイカ漁の見学や体験をしてきた。
幼少期から慣れ親しんだ淡水魚の漁業にも触れてみたいと、今年の春ごろからは滋賀県高島市内の各漁協を訪問。8月初めからは滋賀県の短期研修制度「しがの漁業担い手ステップアップサポート事業」を利用し、中村さんの手伝いを始めた。自ら操船して沖合でスッポンのはえ縄漁をしたり、海津漁協(マキノ町)でビワマスなどをさばく作業に携わったりして、湖の恵みとの関わりを体感している。
県水産課によると、これまで女性の漁業従事者はいたものの、主に家族の営みで、個人の漁業者として所得を得ている人はいなかった。県内には2018年の統計で836人の漁業従事者がいるが、田村さんが自身で水揚げを行う事業主となれば、琵琶湖で生計を立てる初めての女性漁師になるという。
時間ごとに変化していく琵琶湖の風景に魅力を感じているという田村さんは「自然を間近に感じられる生活に憧れがある。女性ということは意識せず、自分なりの漁師としてのやりかたを探していきたい」と話している。
掲載元:https://maidonanews.jp/article/14452027
SAFETY INFORMATION: CASES OF SLIPPAGE WITH ZIGZAG / ZIGZAG PLUS / ZILLON
https://www.petzl.com/US/en/Professional/recalls/2021-8-31/Safety-information–Cases-of-slippage-with-ZIGZAG—ZIGZAG-PLUS—ZILLON
上記のプロダクトを使用するユーザーに注意喚起及び調査
もし、不具合が見つかり返金or交換を希望する場合、 until December 31, 2022
京奈和自転車道サイクリングマップ
京都エリア
https://www.city.kyoto.lg.jp/kensetu/page/0000282281.html
奈良・和歌山エリア
http://nara-cycling.com/map/keinawa/
ジビエマルシェ
ジビエマルシェ https://gibier-marche.com/
日本最大のジビエ市場
ジビエマルシェは、ジビエ食肉処理施設及びハンターからのジビエ食材を、レストランに直送する日本最大のジビエ専門市場です。 現在、全国40ヵ所のジビエ処理施設と750名の契約ハンターから、150品目以上のジビエ食材を1100店舗以上のレストランに提供しております。