「きのこの大将こと俳優のシイタケさんです」
「今はオフシーズンのため、おいでくださいました」
「楽しいお話を伺います」「宜しくお願いします」
「この番組の初ゲストに呼んでいただいて光栄です」
「いろんな方にオファーしたんですけど、あなたが真っ先に返事を下さって」
「あーそうですか」「何で出演をOKして下さったんです?」
「それはもちろん茸師さんにお会いしたかったのと、別の番組で後輩のハナビラタケとナメコが何やら私の事を話していたものですから、仲人役としてはちょっと聞き捨てならないなと思いまして」
「あら、そうなの」
「実はハナビラタケを推薦したのは何を隠そう私でして」
「味噌煮込みうどんと言えば、私が最適だと自負しております。それを偶には別の若いもんに任せてみてはどうかと監督に進言したんです」「『ヤケクソ味噌』というタイトル作品でキャストを探してると」「私はその時、別の現場でいなかったものですから、誰か代わりのやつでいないかと」
「そしたら、監督が『面白い』って言って、それで役が決まったんです」
「ナメコとは小さな頃から知っていましたし、マイタケと共にずっと頑張ってきたのを知っていました」
「自分で言うのもなんですが、私やマイタケ、そしてナメコは皆それぞれどこにでても看板をはれる役者です」
「ナメコも最初はつまらないって嫌がってたんですが、ハナビラタケが出るってなったら急にやる気になりまして」「ふふ」
「それをまさかフリーズドライで脇役なんて彼女にとっては取るに足らないものだったかもしれませんが、私やマイタケでは決して出来ない立ち廻りでした」
「それはあなたの親心?」
「そんなんじゃないですよ、ただの思い付きですし、監督も気まぐれじゃないですか」
「その監督さん、素敵ね。どなたかしら?」
「あの世界の・・・」