茸師の部屋2

茸師の部屋

「”クリニック”というコンビ名で漫才師をされていますニガクリタケさんです」「宜しくお願いします」

「この場を借りて一言いってもよろしいでしょうか?」「どうぞ」

「面白半分で僕をいじる(齧る)のは止めてください(どん)」

「あら、どうして?」

「どうも僕を毒キノコと認識して齧る人が多発しているようで」

「芸人さんにとっては”おいしい”お話じゃなくって?」

「それがそもそもの原因でして」

「相方のクリタケは生で齧って咀嚼すればするほど、深い味わいが得られるんですが、僕は咀嚼するまでもなく一瞬で「苦!」ってな感じで吐き捨てられて」「ふふ」

「それがいわゆる出オチみたいなもので様式美を纏っていまして」

「まあ、いいじゃないの、何かチヤホヤされてて」

「そんな綺麗な漫才を僕らは目指してないんで」

「じゃあ、どんなの?」

「”癒し”になるような漫才をしたいなあと」「御後がよろしいようで・・・」

「ではCMを挟んで続きをお聞かせいただきます」

「終わらんのかい!」