「薬師で歌人でもいらっしゃいますオオセミタケさんです」
「よろしくお願いします」
「あなた、冬虫夏草の一種なんですってね、わたしく冬虫夏草の事ぜんぜん分からなくて(笑」
「蝉の幼虫なんかに寄生して、この時期に出てくることがしばしばあります」
「あなたが御詠みになった、あの歌・・・」
「『これやこの~(省略) あうさかの関』ですか?」
「あれはどういうお気持ちだったの?」
「ちょっとした灯火ですかね、無駄な事にも笑いの一刺しをと、老婆心ながら」
「それで、あなたのこと『クスクス法師』って、世間では言われるのね」
「時代が変わっても、人の心はそう変わらないものです」
「後世(ジェネリック)って言い方は変ですけど、その後にもいいものが出てきましたね」
「何かしら?」
「『夏草や つわものどもが 夢の跡』」