イカナゴのシンコ漁、大阪湾で自主休漁へ 試験操業の結果低調

大阪府は26日、大阪湾でのイカナゴ稚魚のシンコ漁について、水産資源の保護の観点から、今季は自主休漁とすることが決まったと発表した。試験操業の結果が低調だったことが理由で、自主休漁となるのは今年が初めて。

府によると、今月22日に湾内3地区の約10隻が試験操業を実施し、数匹しか水揚げがない事例を確認。府内と兵庫県内の漁業者の代表者会議を同日開き、今後の対応を協議したが結論は持ち越された。改めて協議し、この日、自主休漁の方針が決まったという。

瀬戸内に春を告げる風物詩となっているイカナゴのシンコ漁をめぐっては例年、この時期に資源状況や稚魚の大きさを考慮し、解禁日の設定や休漁日を決めている。府の担当者は「資源保護のため漁業者たちにとっても苦渋の決断だった」と話した。

府立環境農林水産総合研究所は今年のシンコの資源量は昨年より減少すると予測。不漁の年が続く近年の中でも最低水準になるとの見方を示していた。