魚大量死、飼料製造会社と協定 志摩市 漁協とも

志摩市の波切漁港で昨年12月、小魚が大量死し、漁業に悪影響が出たことを受け、市は26日、愛知県豊橋市の飼料・肥料製造会社「金子あらや商店」や地元漁協と、漂着した魚の処理に関する協定を結んだ。

波切漁港に浮かんだ魚の死骸(昨年12月、志摩市で)
波切漁港に浮かんだ魚の死骸(昨年12月、志摩市で)

 波切漁港で大量死したのは「カタボシイワシ」と呼ばれる南方系の小魚。県と市、地元漁業者が約150トンを回収し、うち約84トンは金子あらや商店が引き取り、畜産飼料の原料にした。漁船の操業は3日間ストップした。

 今回の協定は、大量の魚が漂着した場合の処理方法などを事前に取り決めておけば、スムーズに対処でき、影響を抑えられるとの狙いがある。

 調印式には、橋爪政吉市長、金子あらや商店の金子知代社長、三重外湾漁協(南伊勢町)と鳥羽磯部漁協(鳥羽市)の役員らが出席。橋爪市長は「漁港の機能がストップしないよう、協力して対策を講じたい」、金子社長は「飼料の原料は鮮度が大切。迅速な初動ができるように努力したい」と述べた。

引用元:https://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20240426-OYTNT50222/

何らかの理由で波止場に追い込まれて酸欠による密集窒息死

そもそも波止場は干満潮ぐらいで海流がほぼないので、酸素・窒素濃度が低そうではあるが・・・

衛生画像だと河川からの水の流入がない蛸壺型の漁港っぽいね

現代的追い込み漁的な地形

北海道←→佐賀で漁師を“融通”…ピークの重ならないノリ漁と昆布漁を行ったり来たりして人手不足の解消へ

季節ごとの仕事量に“偏り”ノリ漁師は夏場は仕事がない

季節ごとの仕事量に偏りがあるノリの生産

夏以外は仕事のない昆布漁師が応援にかけつける?

北と南の“強力タッグ”実現に向けて協議

イカナゴのシンコ漁、大阪湾で自主休漁へ 試験操業の結果低調

大阪府は26日、大阪湾でのイカナゴ稚魚のシンコ漁について、水産資源の保護の観点から、今季は自主休漁とすることが決まったと発表した。試験操業の結果が低調だったことが理由で、自主休漁となるのは今年が初めて。

府によると、今月22日に湾内3地区の約10隻が試験操業を実施し、数匹しか水揚げがない事例を確認。府内と兵庫県内の漁業者の代表者会議を同日開き、今後の対応を協議したが結論は持ち越された。改めて協議し、この日、自主休漁の方針が決まったという。

瀬戸内に春を告げる風物詩となっているイカナゴのシンコ漁をめぐっては例年、この時期に資源状況や稚魚の大きさを考慮し、解禁日の設定や休漁日を決めている。府の担当者は「資源保護のため漁業者たちにとっても苦渋の決断だった」と話した。

府立環境農林水産総合研究所は今年のシンコの資源量は昨年より減少すると予測。不漁の年が続く近年の中でも最低水準になるとの見方を示していた。

漁業者が森林を購入 13ヘクタールに託す「ある計画」福岡

有明海から約30キロ離れた福岡県八女市上陽町の森林を漁協が購入した。漁業者たちが海や川の上流にある森を育てることで、豊かな漁場を取り戻すきっかけにしたいという。  森林は矢部川の支流・星野川の両岸にある。「福岡有明海漁連」(柳川市)が約7・7ヘクタール、「矢部川漁協」(八女市)が約5ヘクタールをそれぞれ購入し、今後、植樹をする計画だ。  なぜ、漁業者が森林を買ってまで育てるのか。ノリの養殖者らでつくる福岡有明海漁連の西田晴征会長は「筑後川と矢部川水系から注ぐ水が豊かな有明海を育て、その恩恵を私たち漁業者が受けている」と語る。  森林に降った雨は、腐葉土などの栄養分を取り込み、ゆっくりと川や海へと流れ込む。その栄養分を植物性プランクトンや海藻が吸収し、魚はプランクトンを食べる。そのおかげで、矢部川ではアユやモクズガニ、ウナギなど、有明海では養殖ノリやアサリ、ガザミなどの漁が盛んだ。  ところが、西田さんは最近、川の水量や栄養分が減っているのではないかと感じているという。「森林を購入することで、漁業をなりわいとする私たちが森林を手入れして、川や海の環境を守るという意思をはっきり示したかった」と話す。  購入した森林は、スギやヒノキなどの針葉樹が大半だが、落ち葉が栄養豊かな腐葉土になる広葉樹を増やしていく計画だ。県八女森林組合にも協力してもらうという。  矢部川漁協の甲木康裕組合長は「小さな一歩だが、これをきっかけに、山川海の結びつきをたくさんの人に知ってもらい、川の流域環境を守る活動に賛同してほしい」と話す。

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/ffd6d68c483a0651a31a7be8dde18f614437c126

朝の漁を終えたら森の猟へー バブル期に世界を渡り歩いた東京っ子が行きついた、自然と人とつながる生き方

東京から約100キロ離れた千葉県館山市は、近海を流れる黒潮の影響で漁業が盛んだ。4月中旬の早朝、「栄の浦漁港」で水揚げ作業が始まっていた。定置網漁の船から下りた小林圭(54)は、慣れた手つきでイサキ、タカベなどの魚を運ぶ。「今日は少なめだ」。同僚たちと仕分けに汗を流す。
定置網漁でとった魚の水揚げ作業をする小林圭さん=千葉県館山市で

定置網漁でとった魚の水揚げ作業をする小林圭さん=千葉県館山市で

 小林は8年前に東京から館山に移住。地元の水産会社で働く。館山には中学時代から父に連れられ、スキューバダイビングによく来ていた。今もサーフィン、釣り、シーカヤックなどのマリンスポーツを楽しむ。
 館山沖は昔からブリ、カンパチなどもよくとれる。そんな海で近年、異変が起きている。漁獲量が減り、魚の種類も変わってきた。温暖化や潮流の変化が一因とされ、小林は「最近は南方の海で生息していたはずのシイラやサメなども目立つ」と話す。

◆温暖化で漁獲量3割減も、「廃棄」魚を商品化へ

 千葉県の大型・小型定置網漁業の2020年漁獲量は計7900トン。10年前と比べて3割ほど減った。サメなど需要の少ない魚やサイズの小さい魚もよくかかるが、多くは未利用魚として廃棄されていた。
 小林は「このままでは漁業が衰退する一方だ」と昨年11月、知人や地元住民とNPO法人「AWA369」を設立。未利用魚の商品開発を進める。これまでサメを使ったかまぼこや、小さいイワシなどを用いた調味料「魚醤ぎょしょう」を試作。魚のすり身団子「フィッシュボール」も、ゆくゆくは市内の店や周辺のキャンプ場で提供したいという。「魚をとるだけでなく商品化して生産性を上げれば、雇用を増やすことにもつながる」
 館山で漁師になるまでの半生は、仕事や住む土地も移り変わってきた。

◆世界を股にアテンド、飲食業経営も震災を機に…

 東京都中野区出身で、高校卒業後にニューヨークへ留学。語学学校に半年ほど通うが、「遊ぶことが楽しくなった」と自主退学する。当時の日本はバブル経済のまっただ中。海外旅行する日本人が増えていた。小林は、日本人旅行者に観光スポットやレストランを紹介するアテンドの仕事を始めた。米国から東南アジア、インド、ヨーロッパを転々とし、アテンドで生計を立てて20代を過ごす。
 30歳で帰国し、東京都内で防災設備の販売会社に就職。外食やお酒が好きで飲み歩くうち、飲食業にも興味を抱く。会社勤めのかたわら都内でラーメン店や、フランス料理を出すバーを経営するようになった。
 40代で脱サラし、飲食業に専念。「常連客を増やすため、付き合いで毎日のように飲酒していた」。やりがいは感じていたものの人間関係のストレスはあり、年齢とともに体もつらくなってきた。休日に息抜きで訪れていた館山と、東京での「2拠点生活」を始めた。
 さらに移住へ背中を押したのは、2011年3月の東日本大震災。銀座で買い物中に大きな揺れに襲われ、「都会でひとたび大災害が起きれば何もできない」と感じた。店を他人に譲り、恋人と館山に移住した後、結婚した。

◆地域で暮らすために必要なこと

 小林は朝の漁を終えると、森へ向かう。雑草の伸びた茂みや獣道が、もうひとつの「職場」だ。
 昨年に狩猟免許を取り、「くくりわな」の猟を始めた。イノシシなどが通った痕跡の近くに穴を掘り、ワイヤの輪でわなを仕掛ける。獣が穴に足を落とせば、ワイヤが巻き付いて逃げられなくなる。これまでアナグマや、100キロを超すイノシシもかかった。
小林さんが仕掛けたわなで捕らえたイノシシ(本人提供)

小林さんが仕掛けたわなで捕らえたイノシシ(本人提供)

 捕らえた獲物は別の猟師が銃で仕留め、小林はナイフで血を抜く。自ら解体し、食べる。アナグマの肉は、今まで味わったことのない脂のうまみを感じた。ただ季節や個体によって、脂の量や肉の硬さは違う。「野生の獣肉には均一性がない」と知った。大きな獣を殺すのは、決して気持ちのいいものではない。それでも「地域で暮らすために、やらなければしょうがない面はある」と語る。
 館山の集落を歩けば、あちこちに耕作放棄地を見かける。獣が人の住む地域に出没し、田畑を荒らしてきた。市内では2021年度に11ヘクタール超、野菜など87トンの被害が出た。被害額は2700万円を超え、千葉県内の市町村では最悪だった。
 小林が猟を始めたのは、猟師の少ないことに加えて「多くの農家が獣害で困っているのを見た。移住した自分が地域になじみ、受け入れてもらうためにもやってみようと考えた」からだ。
 漁師と猟師の掛け持ちは、館山の自然と向き合ううちに選んだ。収入は主に漁の仕事から得るものの、東京で暮らした当時より減った。その半面、魚や肉は自分でとり、野菜は近所の農家からもらえる。「東京は家賃や駐車場代などが最低でも20万円はかかっていた。それが館山では半分ほどで済む。生活費はそれほどかからない」
狩猟で使う、くくりわなについて説明する小林さん=千葉県館山市で

狩猟で使う、くくりわなについて説明する小林さん=千葉県館山市で

 移住してみると、1次産業の衰退だけではない、過疎の現実も目の当たりにした。空き家が少なくなく、子どもを見かけることはまれだ。小林は地元住民から漁や猟を学び、消防団にも入った。自分と同じように移住した人たちとも知り合い、「いろいろな人が自然と集まり、コミュニティーのようなつながりができればいい」と考えるようになった。

◆コロナ禍で進んだリモート、移住…大切なことは

 近年、過疎に悩む地方自治体は競うように移住者を募集している。コロナ禍の影響で、移住に興味を持つ人も増えている。総務省の調べでは、21年度に自治体の窓口などに寄せられた移住に関する相談は約32万4000件で、15年度(約14万2000件)の2倍超に。コロナ禍やリモートワークの普及も一因とされる。
 「どこで暮らすか」を問い直す人が少なくないなか、小林は、実際に移住しても地域になじめず戻る人もいると指摘。「館山に限らず、移住するなら地元住民との関係をつくることは大切。どこで暮らすにしても1人では生きていけないからだ」と話す。
 さまざまな国で暮らして働いた経験から、お金をかせぐだけなら東京にいたほうがいいかもしれないとも思う。だが、「自然豊かな館山は、自分には素晴らしい宝があるように見える。今後は、若者の定住につながるような活動ができるといい。先の見えにくい時代だが、不安ばかり言っても仕方ない」と前を向く。
 NPO活動で空き家を補修し、貸し出す計画も進めている。活動を通じて市長と知り合い、行政とのつながりもできつつある。「外から来た自分と行政の人々とは、地域の将来を考える視点で重なる部分もある」。移り変わる人生で関わった「まちづくり」に、今はやりがいを見いだしている。(中山岳、文中敬称略)

◆デスクメモ

 最近はホームセンターに鳥獣用の電気柵や箱わなが並んでいる所もある。減っていく人口と入れ替わるように出没する野生動物は、地方共通の悩みの種。負担を分かち合おうと、猟師を始めた小林さんの選択に納得する。海と山で地元に溶け込み、地場の産業で生きていく二刀流だ。(本)=おわり
引用:https://www.tokyo-np.co.jp/article/248370

人気食材シロギスの完全養殖に世界で初めて成功、漁獲量少ない冬季に出荷へ 広島県福山市のクラハシ

水産物卸のクラハシ(広島県福山市)は、食材として人気の高いシロギスの養殖に乗り出した。養殖技術を開発した福山大と協力し、量産に向けた実用化に成功した。採卵からふ化、育成までの完全養殖は世界で初めてという。沖縄県に整備した採卵施設などを拠点に「びんごの姫」のブランドで天然の魚が捕れない冬季に供給する。 【画像】クラハシが沖縄に整備した種苗研究センター  養殖は、温暖な沖縄県の伊平屋島で行う。クラハシは昨年4月、現地に種苗研究センターを整備。採卵して稚魚が育ったら、現地の漁協が所有する陸上養殖施設に移して育てる。水温や明るさを調整することで、従来は難しいとされてきた産卵のコントロールに成功したという。冬場の水温が高いため、通常より3割以上短い1年弱で出荷が可能となる15センチ前後に育つ。  シロギスは本州近海で漁獲される。臭みのない白身で刺し身や天ぷらとして人気が高い。産卵のために浅瀬に集まる3~10月の水揚げが多い一方、冬は極端に漁獲量が減り、高値で流通する。近年は漁獲量も少なくなり、市場での不足を補うため魚種の近い魚が輸入されている。  福山大は2015年、養殖の研究に着手。クラハシも18年から参画し、今年2月に完全養殖に成功した。飲食店での需要を想定し、今年10月の出荷開始を目指している。  養殖では、漁の際にできる傷がないという利点もある。同社は、将来的には生産を年50万匹に拡大させ、海外へも販路を広げたい考え。倉橋彩子専務は「一年を通じて安定供給できるようになり、天然の魚の回復にもつながる」と話している。

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/7b8aaa7e8e6e34a5707c475038e075483e19595